この土地にある木のしなやかさ、
土の美しさ、
職人の手の巧みさ ―
それらに包まれた小さな空間に身を置くと、
風やにおい、音、光、といったまわりのものたちが
いつもよりすぐ近くにある気がしてきます。
そうすると、
自分の大きさが改めてわかる気がするのです。
同時に、世界の大きさが見えてくる気もするのです。
淡路島の小屋ではじめられるのは、
ちいさく豊かなくらし。
そして、そのくらしがまた、
この土地ならではの風景をつくっていくのです。
床材、梁、柱など、建物を支える骨組みは、淡路島の山々から伐り下ろした針葉樹で構成します。
瓦の三大産地・淡路島。屋根には、200年以上脈々と受け継がれた技術が詰まった淡路瓦を使います。
壁は軸組を見せ木の呼吸を妨げない真壁とし、淡路島の土と藁を練りこんだ土壁で美しく仕上げます。
生活の道具を置いたり
仕事場として使ったり
誰かと集う時に
もしくは一人になりたい時に
どこに置いても
いつ使っても
だれと過ごしても
何を置いてもよし
小屋は人それぞれ
思い思いのくらしを
この小屋に広げてみてください
淡路島に点在するいくつもの小屋。
それらが映し出すのは、
その場所の記憶と持ち主のくらしだと思います。
私たちは、そんな小屋が持つ特性から、
ならではの風景はどこから来るのか、
豊かなくらしはどこから来るのか。
それらを読み解きたいと思っています。